知覚的に無限の広さを感じさせる家
◎建築家から一言
「建売を否定するわけではないのですが、誰が住むか分からないから、誰が住んでもいいような家になります。それは決して住む人のベストの家にはならないでしょう。家というのは人のための器ですから、本来は住む人のライフスタイルや趣味に合わせてさまざまな表現や表情を持つものです。それはインテリアだけに限らず、外観にもいえます。住む人の個性を尊重しながら、たとえ一軒だとしても街づくりを考え、街並みを意識した建築を創りたいと考えています。」
家が街路樹や森に囲まれていれば、もっと素直に住む人の個性を外観として表現できるのだが、都市の街区にはそんな余裕がない。そこで格子を高垣のように使用している。家を街並みから消すためのフィルターである。京都の格子や簾のごとく、見えているけれども速く感じる。内側からは、格子越しの外の風景が借景となり、家と格子の間の余白とともに空間の広がりを見せている。
知覚的に無限の広さを感じさせる家とは
住空間というものは住む人に精神的な影響を及ぼすため、広がりや開放感は快適に暮らすには必要不可欠である。都会では充分な広さが取れない場合が多いが、余白をコントロールすることにより本質的な空間は変えられるのである。